夫婦の問題を長年扱ってきた臨床心理士が語る、セックスレス・会話レスの克服の考え方、対策、夫婦のカウンセリング。質問やコメントを歓迎します。
パートナーと話をするとき、気をつけてみてください。
相手の名前を呼んでいますか?
日本の夫婦は、子どもが生まれると
お父さん、お母さん、と呼び合うことが多いようです。
文化人類学者のどなたかの説によれば、日本人は一番目下の人を基準に人の呼称を決めるのだそうです。だから、子どもがいると子どもを基準にして、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、となります。子供ができる前は、おじいちゃん、おばあちゃんはお父さん、お母さんだったはずです。
そしてこれらはすべて肩書きです。
名前を呼ぶというのはとても重要なことです。
相手をユニークで価値がある存在として認めている、ということを名前を呼ぶだけで表しています。交流分析という心理学の理論では、そうして人の存在や行動を認めることを「ストローク」と呼んでいます。そして、ストロークなしでは人は生きていけない、とも言われています。
育児をしている最中の女性が感じることの一つに、「○○ちゃんのママ」と呼ばれることへの違和感があります。最初は気にならなくても、そのうち、自分が子供の付属物のように感じてしまう人が出てきます。言葉は単なる記号ではないのです。意味が通じればよいということではないということです。
そして、それほど、ユニークな存在として名前を認識されることは重要なのです。
そのことにビジネスも気づいています。だから、昔から優秀なホテルのドアマンは得意客の名前を覚えていましたし、最近ではちょっとしたコールセンターもすぐに、○○様、と顧客の名前を呼ぶようになっています。
ですから、今から、誰にでもできるセックスレス対策として、相手の名前を呼んでください。
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