夫婦の問題を長年扱ってきた臨床心理士が語る、セックスレス・会話レスの克服の考え方、対策、夫婦のカウンセリング。質問やコメントを歓迎します。
セックスレスの入り口に多くの場合「会話レス」があります。
セックスというのは、情緒的なかかわりです。そしてお互いが傷つきやすい形で行われるかかわりです。
そのため、セックスを物的なものとしてとらえているのでなければ(そういう人もたくさんいます)、安心できる関係の中でしか行われません。その安心感を作り出すのが会話なのです。
交際当初、いろいろなことを話したと思います。
そうやって、安心感が形成されるわけです。
いったん安心感が形成されると、突然それが変わるということはあまりないことです。しかし、だからと言っていったんできた安心感が永遠に続くわけでもありません。
したがって、会話が失われていくことは、安心感が低減していくことにつながります。厄介なのは、安心感の増減は目に見えないことと、(目に見えて裏切られたというようなことでもない限り)急には変わらないことです。
少しづつの変化に人間は鈍感です。だから変化に気付きにくいのです。安心感が底まで落ちているというのは、たとえばセックスレスというような現象として現れるまで気づかないのです。
そして、いったん落ちてしまった安心感を向上させるのには、多くの努力と、かなりの時間を要します。
だからこそ、安心感をよりまじかにわかる、会話レスに注意を払う必要があるのです。
あえて話すことがない、話すのが面倒、と感じるようなら、すでにセックスレスに片足を突っ込んでいます。
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